想いの先は

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「 1125室 」 「…え?」 「1125室だから、  上がって来て」 それだけを口にすると、 動悸を逃がすように辺りを見渡した。 上がって来てと言ったのは 『女は入れない』と告げたこの部屋 自分の意思で俺の元に来るかどうか これが本当に、最後の賭けだった。 待つ間の一秒一秒がいやに遅くて、 焦燥でかぶりを振った時、部屋に軽い呼び出し音が響く。 「………………………」 エントランスのロックに指を伸ばし、 深い息を吐いて窓の外に目を移した。 白く濁った窓の外には ぼんやりとした街灯の灯りが揺れていて、 そのまま目を伏せると、 俺はゆっくりと玄関へ足を向けた。
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