自立とは乖離のことである

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  ハーフパンツから すらりと伸びた白い脚は、 それだけで俺を 誘ったり癒したりする。 綺麗だから、 とりあえず噛み付いて どうにかしたくなることが多い。 「拓海さん、もう。 ちゃんと聞いて」 「お前の話なら、 一言も漏らさず ちゃんと聞いてる」 「……」 志緒の丸い頬が ほんのりと色づいて、 思わず笑い出したくなってしまった。 もうこの部屋で 一緒に暮らしているも 同然なのに、 志緒はいまだに 俺がなにか言う度 こうして反応を示す。 いつまでこんな 初々しい反応を するのだろうか。 死ぬまでか、と思うと それまで色々 可愛がってやりたいという 気になる。 毎日。 「そうじゃなくて」 「なんだ」 「寂しがってるんだよ。 拓海さんのご両親」 「……」 今度は俺が 怯む番だった。 .
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