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「土曜日にお前とふたりきりになったところで、何が?」
……分かってない。
真幸くんらしいと言えば、らしいけれど。
「あたしとじゃ、そりゃあ……なにも……ないけど……」
と、明日奈さんはボロボロと涙をこぼす。
「誕生日だから……、おめでとうって言いたかっただけ……」
真幸くんは、目をパチパチ瞬かせる。
「それだけのために、緋芽のこと落としたのか」
「落としたんじゃない!そんなことしようと思ったんじゃなくて――」
「落としたんだよ。謝れ」
「っ……」
「早く」
普段温厚で、いつも笑顔の人が怒ると、ギャップですごく怖い。
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