Last*眠り姫のひみつごと。-2-2-2

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明日奈さんはしばらくうつむいて黙っていたけど、 「あっ……!」 突然病室から走って逃げていった。 肩同士がぶつかって、よろめく。 一瞬だけ合った目は涙で濡れていて、悲しみに満ちていた。 そして、病室にはふたりきり。 「真幸くん……、――っ!」 名前を呼ぶと、手を強く引かれ、あっという間に真幸くんの腕の中に。 「えっ、あ、……あの……」 動揺しながらも、気づいた。 抱きしめる手が震えてる……? 「ごめん……、俺のせいだった」 「え?」 それは、まさか、明日奈さんがさっき言っていた……? 「違うよ、真幸くんのせいじゃない……。真幸くんは、守ってくれた」 「大丈夫?じゃあ、もう痛くない?」 あたしは首を振る。 「最初から、痛くなんてなかった」 背中に手を回して、抱きしめ返す。
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