Last*眠り姫のひみつごと。-2-2 #2

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目を閉じていたけど、唇を外すことなく、失敗しなかった。 真幸くんが起きていたら、自分からなんて中々いけないけど……。 真幸くんだって、眠っているあたしにしたんだから、おかえし。 唇を離して、目を開けると、 「……ひめ……?」 真幸くんと、目が合った。 寝ているはずの真幸くんと、……目が合った? 「!!」 思わず、勢いをつけて身を引く。 起きた! 今!? どんなに大きな声で呼んでも起きなかったのに、ちょんっと触れるだけの唇の感触で? 「ひめー……」 まだ半分以上は起きていないみたいで、真幸くんはとろんとした目であたしを見る。 起きた……。 あたしの名前、呼んでる。 改めて実感したら、嬉しくて、止めたはずの涙がまた溢れる。 一度は離れたけど、またベッドのそばにいく。 真幸くんが、布団から手を出して、あたしの髪に手を伸ばす。 「けが……してない?」 怪我したのは、真幸くんの方だよ。 「うん……っ、してない……」 何であたしの心配してるの。 「よかった」 全然よくないよ。真幸くんばっかり傷ついてるのに。 言いたかったけど、真幸くんが笑うから、涙ばっかり出てきた。
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