もう、誰も好きにならない。

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 キスをしては抱き合ってを繰り返していると、隣の部屋のドアが開く音がした。  足音がこっちの部屋に近づいて、止まる。  「ゴメン。すげぇ気になるから今聞いちゃうけど、兄ちゃん、女のお客さん来てるよね? 玄関に靴あったから。それって冴木?」  ドアの向こうから、二宮弟の声がした。  「……」  急に不機嫌になって、返事もしない二宮くん。  「冴木だよ!! アンタ、万が一私じゃなかったらどうするつもりだったのよ!?」  なので、代わりに私が答える。  「イヤ、十中八九冴木だと思ってたから」  「残りの一、二だったら、殺されてるよ、キミ」  二宮弟の危うい賭けに思わず突っ込むと、  「アイツの相手なんかしなくていいから。冴木は俺の彼女でしょ」  二宮くんがむくれながら拗ねた。  ホント、可愛いなぁ。もう。
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