334人が本棚に入れています
本棚に追加
/181ページ
キスをしては抱き合ってを繰り返していると、隣の部屋のドアが開く音がした。
足音がこっちの部屋に近づいて、止まる。
「ゴメン。すげぇ気になるから今聞いちゃうけど、兄ちゃん、女のお客さん来てるよね? 玄関に靴あったから。それって冴木?」
ドアの向こうから、二宮弟の声がした。
「……」
急に不機嫌になって、返事もしない二宮くん。
「冴木だよ!! アンタ、万が一私じゃなかったらどうするつもりだったのよ!?」
なので、代わりに私が答える。
「イヤ、十中八九冴木だと思ってたから」
「残りの一、二だったら、殺されてるよ、キミ」
二宮弟の危うい賭けに思わず突っ込むと、
「アイツの相手なんかしなくていいから。冴木は俺の彼女でしょ」
二宮くんがむくれながら拗ねた。
ホント、可愛いなぁ。もう。
最初のコメントを投稿しよう!