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【 花火 】
あなたの袖を摘まむ手が
ギュッと皺-シワ-を作る頃
《 …ヒュ~ッ、パーッン!》
真夏の夜空に咲かせた大輪-ハナ-は
二人の頬を朱色に照らす
「綺麗だね♪」
空を見上げるあなたの瞳に
頬を赤くと染めたのは
花火の責-セイ-ではないのだと
そっと… 隣のあなたの肩に
頬を預けて心を寄せる
「 … うん♪」
… そして
あなたの浴衣の袖端を
ずっと、摘まんだままでいる
私の拙いこの指を
あなたは優しく…
一度と離すと
そのまま 私の右手を奪う
《 ギュッ 》
「 握るんだったら
"此方"にしとけよ♪」
… キュン …
打ち上げられる花火の音と
私の胸の"ときめき"と …
照れたようにもハニカミながら
あなたは愛しい笑顔をくれる
だから…
ねぇ?
「 大好きだよっ♪ 」
~ fin ~
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