【 花火 】

1/1
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ

【 花火 】

 あなたの袖を摘まむ手が      ギュッと皺-シワ-を作る頃    《 …ヒュ~ッ、パーッン!》  真夏の夜空に咲かせた大輪-ハナ-は      二人の頬を朱色に照らす      「綺麗だね♪」  空を見上げるあなたの瞳に  頬を赤くと染めたのは    花火の責-セイ-ではないのだと  そっと… 隣のあなたの肩に      頬を預けて心を寄せる             「 … うん♪」  … そして  あなたの浴衣の袖端を   ずっと、摘まんだままでいる     私の拙いこの指を  あなたは優しく…      一度と離すと    そのまま 私の右手を奪う       《 ギュッ 》  「 握るんだったら        "此方"にしとけよ♪」       … キュン …  打ち上げられる花火の音と    私の胸の"ときめき"と …  照れたようにもハニカミながら  あなたは愛しい笑顔をくれる  だから…        ねぇ?     「 大好きだよっ♪ 」                ~ fin ~        
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!