第1章 君は嘘だらけだ

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窓際で一人黄昏る生徒。 彼は常に独りであった。 望んで独りになったわけではない・・普通ではないのだ。 彼の前では嘘をつくことはできない。 彼の前では全てが見透かされる。 しかし、学校に入ってから嘘を見透かせるわけではなかった。 生まれてから全てが始まったのだ。 彼の名は深淵 夜(しんえん ないと)。 キラキラネーム、DQNネームともいう。 友達と言えるのは只1人。 家族はなく、孤児院で育った。 運動神経は下から数えたほうが早いぐらい悪い。 代わりに頭はキレる。 彼の周りでうろちょろしているのは友達?である五十嵐 楓太(いがらし ふうた)。 彼の秘密を知りつつも仲良くできている唯一の人物である。 周りからの信頼も厚くクラスの人気者である。 夜「あまり僕に近づくな。楓太まで変な噂が立つぞ」 楓太「はぁ?何言ってんだ?毎朝毎朝同じ事言いやがって、いい加減認めろよ。仲良くしてくれてありがとうございます楓太様ってな」 沈黙が生まれ、夜はゆっくりと外に首を向けた。 こういう時は無視するに限る。 楓太が喚いているが付き合っていると、疲労が蓄積し風邪をひきかねないので自分のためにも無視をする。 席が隣りなだけあり常に話しかけてくる。 授業中にもかかわらずだ。 そして、何故か僕まで注意される。 被害者は僕なのに。 こういった具合で放課後まで過ごす。 帰りも一緒・・ 2人とも部活には所属していない。 ちなみに中学3年生の春だ。 最後の義務教育を受けている。 下駄箱を開けるとそこには1通の手紙が。 はて? これは何だろうか? 楓太に渡すと、肩に手を置かれため息をつかれた。 楓太「夜ちゃん、これはねラブレターっていうんだよ、分かるかな?好きな人に勇気を振り絞って届けたんだ。だから、気軽に人様に渡しちゃいけないんでちゅよ?」 夜「ふーん。興味ないから楓太にあげるよ」 誰のものか分からない手紙なんて気味が悪くて受け取れない。 それに興味ないし。
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