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窓際で一人黄昏る生徒。
彼は常に独りであった。
望んで独りになったわけではない・・普通ではないのだ。
彼の前では嘘をつくことはできない。
彼の前では全てが見透かされる。
しかし、学校に入ってから嘘を見透かせるわけではなかった。
生まれてから全てが始まったのだ。
彼の名は深淵 夜(しんえん ないと)。
キラキラネーム、DQNネームともいう。
友達と言えるのは只1人。
家族はなく、孤児院で育った。
運動神経は下から数えたほうが早いぐらい悪い。
代わりに頭はキレる。
彼の周りでうろちょろしているのは友達?である五十嵐 楓太(いがらし ふうた)。
彼の秘密を知りつつも仲良くできている唯一の人物である。
周りからの信頼も厚くクラスの人気者である。
夜「あまり僕に近づくな。楓太まで変な噂が立つぞ」
楓太「はぁ?何言ってんだ?毎朝毎朝同じ事言いやがって、いい加減認めろよ。仲良くしてくれてありがとうございます楓太様ってな」
沈黙が生まれ、夜はゆっくりと外に首を向けた。
こういう時は無視するに限る。
楓太が喚いているが付き合っていると、疲労が蓄積し風邪をひきかねないので自分のためにも無視をする。
席が隣りなだけあり常に話しかけてくる。
授業中にもかかわらずだ。
そして、何故か僕まで注意される。
被害者は僕なのに。
こういった具合で放課後まで過ごす。
帰りも一緒・・
2人とも部活には所属していない。
ちなみに中学3年生の春だ。
最後の義務教育を受けている。
下駄箱を開けるとそこには1通の手紙が。
はて?
これは何だろうか?
楓太に渡すと、肩に手を置かれため息をつかれた。
楓太「夜ちゃん、これはねラブレターっていうんだよ、分かるかな?好きな人に勇気を振り絞って届けたんだ。だから、気軽に人様に渡しちゃいけないんでちゅよ?」
夜「ふーん。興味ないから楓太にあげるよ」
誰のものか分からない手紙なんて気味が悪くて受け取れない。
それに興味ないし。
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