第2章

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 ツーブロックと有馬がいたのは体育用具置き場の小屋裏だった。二人に見つからない程度の距離から除くと何か話をしている。 「・・だ、・・・・に・・・・ていたいんだ」 「・・・・ですか?」  距離的に会話を聞き取れない。切れ切れに聞こえる声も内容を把握出来るものではなかった。  だが、これ以上近づけば聞き耳をたてていることはバレてしまうし、出来れば見つかりたくはない。  ツーブロックの表情は相変わらず、眉間に皺を寄せて有馬を見下ろしている。有馬はツーブロックの視線を外しながら、少し微笑んでいるが、微笑んでいるのは口元だけだった。  表情だけでみると何やら深刻な会話をしていそうな雰囲気だ。  有馬は2年生の現国を担当していると言っていた。ツーブロックとの接点は十分にあるし、会話をする機会はいつでもあるだろう。今だって俺が深刻な雰囲気に見えると思っているだけで、実は今日の夕飯はなんでしょうね?という軽い会話を交わしているかもしれない。  でも、なぜだろう。妙に二人が気になった。あの、有馬の一言が原因かもしれない。  『君は俺の知り合いによく似ているね』  ツーブロックも俺の親父を知っている。有馬の知り合いが俺の親父なのだとしたら、この二人の接点は別な所に繋がるのではないだろうか。  親父は何をしたのだろう。俺の知らない親父をこいつらは知っていることになる。そしてツーブロックは何かを探している。
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