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「なんで親父の事知ってんだ?。親父とどういう接点があんだよ」
我ながら直球。
「逆に聞く。お前は本当に何も知らないのか?」
えっ、そこ返される?。
「いやいや、わかんねーから、聞いてんだよ。お前が何を探してんのか、親父が何をしていたのかさっぱりわかんねーよ。俺が知ってることなんて、親父は家にいなかったことと、親父は4年前に死んだこと。普通のどこにでもいる優しい親父だったことしかわかんねーんだよ」
つい、感情的に最後は怒鳴っていた。
ツーブロックはそんな俺と更に間合いを詰め、いつかの壁ドンと同じぐらい体が近づいた。後ろは、有馬とツーブロックに見つからないように隠れていたので、校舎の壁の出っ張りがあり、まさに壁ドン、デジャブ。
「いや、近―し」
「俺はまだ、お前を信用しているわけじゃない」
「それって、そんなに深刻になる必要がある話なのかよ」
メガネ越しに睨むと、ツーブロックはそれには答えずに、俺のメガネとマスクを剥ぎ取った。
「おいっ」
ツーブロックには顔が割れているので、隠しておかなきゃいけない、とかはないが、視界がぼやけるのはいただけない。俺はボヤけた視界のまま、手を彷徨わせた。その腕を壁際に押さえつけられる。
「父親にあんまり似ていないな・・・。そんなに知りたいなら、交換条件といこうか」
「は?」
俺はその意味をつかめず、ツーブロックを睨みつけようと顔を上げた時、その衝撃は走った。
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