Act.21 Side Ayumu

23/33
2871人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「ゆっくり……時間をかけてわかり合えればそれでいい。 話したくなったら話せばいい。 俺はいつだって葉月を見ているから」 自分の過去も、黒田君との間に起きたことも全部。 葉月が自分から話したくなるまで俺は待っててやる。 そんな思いを言葉に並べてしまうのは、もう冴子の時と同じ過ちを繰り返したくないからだ。 答えをすぐ出したくなるのは今までの俺の悪い癖だった。 けれど瀬那川のように5年もかけて一人の女とじっくり向き合うヤツだっている。 そう思ったのに。 「……部長」 「なんだ」 「男と女って……好きとか嫌いとか愛してるとか……そういう括りだけじゃないって……そういう事ですよね?」 「……は?」
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!