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暫くしても、
なんの反応も示さない私に不安になっただろう海翔が、
「芽依、スッゲー情けないことばっか言って、ごめんな」
私の様子を恐る恐るうかがうようにして遠慮気味にそっと声をかけてきた。
そんな不安そうな海翔を抱きしめて包んであげたくなった。
気づいた時には、
海翔に正面から向き直って、
いつも海翔にして貰ってるみたいに、
海翔をふわりと優しく包み込むように抱きしめていた。
「ううん、嬉しい。
そんなに私のこと大事に想ってくれて、ありがとう。
子供がヤキモチ妬いちゃうくらい仲良くしようね?」
「あぁ。そうだな」
飛び切りの笑顔と一緒に大好きな海翔への想いを添えて……。
海翔と結婚してからというもの、
私は毎日こうやって海翔からたくさんの想いを貰っている。
それは、
目に見えるものじゃなくて、
一つ一つは小さなものだけど、
私の中に少しずつ浸み込んで、
一つ一つが合わさって、どんどん膨らんでゆく。
そして、
時々こうやって
ふたりの想いが合わさって、
もっともっと大きなものへとなってゆく。
きっと何があったとしても壊れたりなんかしないように……。
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