◇◇ 第11章 同行デート - 2 ◇◇

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「あぁ、ごめん、暗くなっちゃったな。 でも、和也が言ったんだ。 『ニューヨークにいるあいだに、すべての問題を片付けるから、すべて俺に任せてくれ』ってね。 おそらく、大株主の青木ともなんとか決着をつけるつもりでいるんだ。 だから、俺たちに出来る事…… せめて、ふたりが再会するキッカケだけは用意してやろうってね。 今は、この離れ離れの時間さえもが、ふたりの絆を深めているはずだと、ただ信じるのみだよ」 ぽつりと零れ落ちた本音は、春の霧雨のように、切ないほどに優しい。
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