第18章・罠

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私が座るのを確認してから、夫は丁寧に助手席のドアを閉めた。 夫の態度はとても紳士的だ。 出発してからの雰囲気も良かった。 車内に流れる洋楽のBGMは、春のドライブに合った曲ばかり。 心配した渋滞もほとんどなく、車は順調に進む。 このペースだと日本平には昼前に着きそうだった。 「昼は何を食べたい?」 赤信号で停止したあと、夫が私に顔を向けて尋ねた。
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