第18章・罠-2

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私は迷いもなく即座に否定した。 「念のためとか必要ないわ。週が明けたら出して来ます」 「そうか。そこまで意志が強いなら、運命が交わることもないのかもな……。賭けは俺の負けかな」 夫は言ったあと寂しげに笑う。 運命? 賭け? 何を言ってるの? 私と夫の間にそんなものあるわけがない。 私は夫の未練を断ち切るつもりで潔く伝える。 「さようなら。もう二度と会うこともないけど、お元気で」
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