#1.再会

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「待って、みはねちゃん!」 シューン、とリハビリジムの自動ドアを踏み開けた美跳(みはね)を呼び止めた、ミドルトーンの青年の声に彼女は振り向いた。 「わすれものー!!」 廊下を足取り軽くかけてきた青年は、右手に持った青いファイルを振りかざしながら慌てて叫んだ。 「え?…わ!」 スラリとした身体をトレーニングウエアの上下で覆うこの青年は鳥越蒼太(とりごえそうた)。 美跳と同じくこの春大学生になったばかりの、アスリート系アルバイト青年だ。 「ほらコレ、大事な商売道具っ」 【メニュー管理No.6】というラベルの貼られたファイルを、彼は美跳の頭の上にふわりと乗せ、ニッと白い歯を見せ笑った。 「ごめん蒼太くん…鮫島(さめしま)さんには内緒にしてくれないかな」 「無理ー。みはねちゃん追っかけて俺がスタッフルーム飛び出すとこ、所長見てたもん」 「ひえ!ヤバイ~!!」 あいたた、と頭を抱えた美跳に、蒼太はあははと破顔した。
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