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「いらっしゃいませ。本日はどういったご要件でしょうか?」
広いロビーの窓口で、清楚な制服を来た受付嬢がぺこりと頭を下げた。
「あの、此処、犯罪を匿ってくれるって聞いたんだけど、本当、なんですかね?」
恐る恐る、受付嬢のお姉さんに訊ねてみる。
PCS……person's climb support center(民間犯罪サポートセンター)と言うぐらいだから、これが詐欺か何かではない限りは恐らく本当なのだろうけど……。
「はい。当社は犯罪者の方の犯罪や事後処理を心を込めてさせて頂きます」
トンデモな説明に面食らう俺を余所に、爽やかな笑顔で受付嬢はする。
「本当に?」
「はい。お客様は初めてのご利用でしょうか?」
「えと、まぁ」
「でしたら、此方からお客様が行いたい犯罪を選択して下さい」
受付嬢はカウンターの上に、大きなパネルをコトンと置いた。
パネルには『殺人、強盗、爆破、窃盗、詐欺、恐喝、盗撮、偽造、横領、取引、密輸・・・・・』
と様々なタイプの犯罪が記載されている。
「じゃ、じゃあ」ゴクリと唾を飲み込み「殺人で」と殺人パネルに指を指す。
「殺人で御座いますね。殺害方法のプランニングは如何なさいますか?」
「プ、プランニング? て何です?」
「当社では、犯行時に必要な道具の貸し出しを行っておりまして、刺殺、絞殺、撲殺、毒殺なぞの目的に合わせてお好みの道具を選択して頂けます。勿論故殺用の車両もレンタル出来ます」
「凄いね。俺は腕力に自信ないから毒殺にしようかな」
「毒殺でございますか。それなら此方はセット料金となってしまいますが、混入する飲食物と合わせて注文して頂いた方がお得です」
「それも此処で頼むの?」
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