エピローグ

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 もう《結果だけの世界》に《たより》はいない。  孝宏が射殺された以上、彼も運命を共にしなくてはならないのだ。  極悪非道の限りを尽くした彼らが地獄へ行ったか、それとも何処かの異次元をさまよっているのか、それは誰にもわからないだろう。  そもそも本来は《過程》として存在する《たより》が、この世界で存在する余地などない。《たより》は《生霊》という死者でも生者でもない、どっちつかずの存在で実態があやふやだ。だからこそ《結果だけの世界》にイレギュラー的に入り込めたのだった。  数ある異次元の世界でも、この場所は永遠に静寂な聖地。いわば運命の女神の仕事場といえる場所だ。  なぜなら、この《結果だけの世界》では、少しの変化も現実世界で大きな影響を与えてしまう。たとえば落書き。この世界で孝宏とふたりっきりで過ごしていた《たより》は、いたるところに落書きを遺していた。
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