プロローグ

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もし余命宣告された時、誰しも死ぬまでにやりたいことはあると思う。 今、私自身もその一人になってしまった。 「ほんとにないの? やり残したこと」 「うーん……これってのがないの」 「海外旅行とかも?」 「うん。行っても何になるんだろうって思うの」 「変わってるね」 「だって、これから消えていくわけなんだよ」 「何だか哲学みたい。些細なことでもいいのに」 そう言われ、これまでの人生を思い返してみる。 いろいろあったなぁ。 そんな私の心に一つの後悔が浮かんできた。 「ねぇ……恋したい」 「恋?」 「うん、あの初恋の続きを……」 もし叶うなら、伝えられずに終わったこの思いを届けたい。
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