密会

36/49
8617人が本棚に入れています
本棚に追加
/391ページ
「誤魔化せなかったんだよなー」 「は?」 「うまく交わせなかったんだよ」 いつもの俺ならうまく交わして誤魔化していたと思う。 けど、あのとき俺に向けられていた鷹山の瞳を見ていたら、何故か心が乱されてうまく誤魔化せなくなったんだ。 「マジで、ごめん。もうしないからさ」 「え」 「許して?」 「……」 俺に対して明らかに怒っていた玲夢が、今度は眉を寄せながらもなぜか俺にすがるような瞳を向けてきた。 「玲夢?」 そんな表情を見ていたら、ついさっき払われたばかりだけど、やっぱり触れたくてまた手を伸ばす。
/391ページ

最初のコメントを投稿しよう!