はきだめの花

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 これはもう洗うの域を完全に越えている。ただ黒岩に触れられたことでさっき反応をみせたのは明らかで、それが治療というならそうなのかもしれないと、黒岩の真剣な声音に俺は絆される。 「んっ……ちょっ、それ止めろっ。あっ……は、ぁっ……」  自分でも初めて聞くような甘ったるい声に驚きながらも、浴室にこだました自分の声が耳に届くと興奮するのも事実で、俺は黒岩にされるがままに身体を火照らされていった。 「あっ、ば、バカそれは……っ」  シャワーをかけられやっと治療という名のこの責め苦から解放されると思いきや、泡が流され綺麗になったそこに顔を近づけられて、熱い粘膜に覆われた瞬間肌が粟立った。 「やっ、め……んぁ……ぁ…はっ、くっ……」  初めてされたわけでもないのに、今まで味わったことのない強烈な快感が身体を駆け抜けた。それをどうにかやり過ごそうと身をくねらせながら、黒岩の髪に指を差し込む。  まっすぐに伸びた茎に舌が這い回り、腰のあたりがジンと痺れる。しばらく感じることのなかったあの感覚が腰の奥から迫ってきていた。 「も、離せっ……出るっ……!」  言い終わるか言い終わらないかのうちに強く吸われ、まだ咥えられたままの黒岩の口腔に熱い白濁を迸らせた。
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