第1章

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シドニーで洗礼を受けたためであろうか。ロンドン生活で違和感はほとんど感じられなかった。もともとオーストラリアはイギリスからの流刑の移民が造った国であるし、シドニー市内にはイギリス縁の地名が随所に残っていたし(例えばシテイにあるハイドパークとか)、いわば本家本元に戻ってきたような感じである。  赴任後1か月間は、ベーカー・ストリートとヨーク・ストリートの交差点からヨーク・ストリート側に2軒入ったところにあるゲストハウスに滞在して、週末は家探しに費やした。ちなみにベーカー・ストリートは、コナン・ドイルが描いた名探偵シャーロック・ホームズの舞台となったところである。 着いた翌日から早速、アンダーグラウンド(地下鉄)を利用して通勤する。地下鉄ベーカー・ストリートからノーザン・ラインでボンド・ストリートまで行き、そこでセントラル・ラインに乗り換えてオックスフォード・サーカスまで行き地上に出る。そこからはリージェント・ストリート沿いに10分ほど歩いて職場に着いた。
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