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「フラッシュモブ、本当にびっくりしました……。こんな素敵な誕生日を迎えられるなんて、まだ、ふわふわしているというか、ちょっと信じれないです。怜司さん、そしてみんな、本当にありがとうございました」
私はみんなの顔を一人ひとりゆっくり見てから、リヅを抱っこしたまま姿勢を正し、深々と頭を下げた。
するとすぐにおめでとうの言葉と温かい拍手に包まれて、止まっていた涙がまたこみ上げてきた。そっと鼻をすする。
「和花、俺がみんなにお礼をする前に何先に言ってんの」
下をむいたままだった私は声をかけられ、ゆっくりと顔を上げた。
目が合うと瀬名さんはニコッと笑って私の元に戻ってきてくれた。
そして私の肩を抱くとみんなに向き直った。
「お礼、和花に先に越されたけど、みんな今日は俺のために、そして和花のために集まってくれてありがとう。これからもまだまだ至らぬ二人ですがどうぞよろしくお願いします」
拍手がまた起こり、道行く知らない通行人までが私たちを祝福してくれた。
「次行くパーティーは俺からのお礼だから会費いりません。たらふく飲んで食べて帰ってください」
「マジで!? よ、瀬名太っ腹!!」
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