禁断の扉

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「ただいまー・・・・?」 玄関をあければ、見知らぬ女性の靴があった。 いつもは出迎えてくれる綾もこない。 「綾?」 名前を呼ぶが、返事はなかった。 綾が友達を連れてくる事など今まで無い。 ざわざわと胸騒ぎがし、もう一度名前を呼ぼうとすれば寝室の扉が開き見知らぬ女性が出てきた。 しっと、人差し指を口元に当てながら。 「今、綾寝てるから。」 「具合悪いの?あなたは誰?」 静かに扉をしめると、無言で居間にいく彼女。 「何で連絡が遅かったの?」 「それは、仕事で。」 「朝まで?」 「あなたには関係ないわ。綾はどうしたの?あなたは誰なの?綾とどういう関係?」 続け様に疑問をぶつければ、彼女は呆れたようにふぅと溜息をつき、冷たい視線を向けられた。 「綾は胃潰瘍で、昨日倒れたの。あなたに連絡したけど繋がらなかったから、私が呼ばれたのよ。私は綾の友人よ。」 「胃潰瘍?でも、綾からあなたの事は一言も聞いた事無いわ。」 「そうね。綾は隠したがってたから。レズビアンの友達は。」 「綾は・・交流、あったの?」 知らなかった。 いつも綾と私の友達ばかりと交流をもっていたから。 いや、そもそも綾がレズビアンだと言うことも意識したことはなかった。 たまたま好きになったのがお互いなのだと思っていたから。 私は綾以外の女性とは考えられない。
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