愛しき宇宙人。

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 そんな親の気持ちが理解出来るわけもなく。  私のことなんかお構い無しで自由に動き回る息子。 『ダメ!』は最早口癖。近所中に響いているであろう絶叫は日常茶飯事。  油断してもしなくても脱走し、あらゆるものをオモチャにする。  何度も大声で叱りつけ、それでも懲りずに目の前で再びやらかす。 「もう、いい加減にしてっ!!」 ……わかっている。どんなに叫んでも一向に状況は変わらないことを。  でも、吐き出さなきゃしんどいのだ。  こんな……こんな筈じゃなかったのに……。  何がいけなかったんだろう。  乗り越えられそうもない試練を与えるなんて、神様は不公平だ。  将来を悲観し、肩を落とす。それも日常になってしまった。
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