第1階層 邂逅

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放たれたのは風鈴のように澄んだ声音。 綺麗な声色のはずなのだが、口調は乱暴しい。 ほうけているレドを他所に、女性の冒険者はその場を駆けた。 (速いッ!) 思わず心の中で叫んでしまうほど、彼女の動きは速かった。 トップスピードのレドと同等。 いやそれ以上か。 女性の冒険者は、紅髪を靡かせモンスターに迫りかかる。 あまりの速さに対応できないモンスターに、その細剣を突き刺した。 (一回じゃない......三、四。一度の攻撃で何度も剣を振ってる!) レドが認識出来たのは四回まで。 もしかしたら、それ以上かもしれない。 とにかく速いということだけは分かった。 女性の冒険者は縦横無尽に広場を駆け回る。 走り様、モンスター達を片っ端から屠っていった。 蹂躙。 紅髮の彼女は、この場にいるモンスターを蹴散らしていった。 「……すげぇ」 見惚れた。戦慄した。 その戦い様に。その凄まじさに。 そして……。 「これで終わりね」 あれだけいたモンスターが、あっという間に全滅してしまった。
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