第3章

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昼休み トイレに入ったぼくは、便器の前に立ちジッパーを下ろす ・・・・・・・・・嫌だなぁ 後ろから「ハァハァ」荒い鼻息が聞こえる 残念なことに、覗かれるのは初めてじゃない 友樹がいれば追い払ってくれるけど、今は風紀室へ行っていない 「か、カワいいね。ボクが持ってあげようか」 あああああ、気持ち悪い ゾヮゾヮゾヮ~~~、鳥肌が立った 止めときゃいいのに振り返って、ニマーッと笑いながら凝視する二年と目が合う 「スゴッ・・・・・・、カワいくてキレい」 伸びてきた手を叩いたら、引っ込んでくれた 良かったぁ・・・・・・ 抵抗出来ないぼくが助かる方法は一つ 「あ! 友樹」 ビクッと出入り口を警戒した男と便器の間をすり抜け、無事に逃げ出したぼくは 愛美に付き添われ女子トイレヘ あーあ、強くなりたい 「最近、また増えたよね。マコ狙いの男どもが」 チッ、舌打ちした友樹の目に、苛立ちが広がる なんか、すみません マグカップを両手で抱え、ちびちびココアを飲みながら頭を下げた 「友樹が家まで送るんでしょう? 風紀室に残させて貰うのは、どうかしら」 「いや、ここも全員出ることがある。それより、愛美が言ってたサッカー部のマネージャー。  恋人に事情を話せば、理解するよね」 ・・・・・・断定ですか でも、まあ 圭介なら頷いてくれると思う 中学三年間、ぼくを守ってくれたのは彼だから 「今日は、見学ってことでいいんじゃない? 一緒に行きましょう」 「うん」
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