マカロンパーティ

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少女はベッドに座ってつぶやいた。 「こんなもの食えるか」 赤色、黄色、茶色、ピンク、オレンジ、ベージュ。か細いひざの上に並んだ色とりどりのマカロン。それは彼女が友だちからバースデイプレゼントとしてもらった物だ。 しかし、彼女はそれを口にできないでいた。目に痛い鮮やかさが毒々しく思えたのだ。 「誰がこんなとち狂った物を好んで食べるのか。いっそ犬にでもくれてやろうか」 そう言って、飼い犬のジョウンにやるところを想像した。ジョウンは、取れるんじゃないかと心配になるくらいしっぽをぶん回して、さも嬉しそうにマカロンにがっついた。 「まあ、あいつは道ばたのウンコだってウマそうに食うわな」 くだらないことを考えていたら眠たくなってきた。 少女はマカロンをまくら元に置くと、水底に引きずり込まれるように眠りに落ちた。
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