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ーーー誰か、誰か助けて、ーーー
男は椅子に座っていた。
書類が乱雑に散らばった机の上に、白い小さなカプセルが大量に入っている瓶が置いてある。
暑いのか、恐怖からか、男の額には汗が浮かぶ。右手を使ってネクタイを緩めると、肺へと流れ込む空気の量が増える。
この薬を一気に飲めば、眠るように死ねるだろう。躍動を続けてきた心臓も、新鮮な空気を入れ替える肺も、働くことをやめるだろう。
瓶の蓋を開ける。
両手から溢れそうになるほどの薬。
吐き戻さないように、一粒一粒ゆっくりと、男は噛み砕いていった。
時間にすれば10分程。
瓶の中は空になっていた。
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