王への謁見──[(五分前)]

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まず、召喚であらわれた光の玉のようなモノから小さな人間…小人のような少女が生まれた 神は金髪で背中に半透明の羽をつけている 知識の中にある妖精といえる姿だった。年頃も14~5歳くらいで整った容姿をしている だが、次の隷属で虚空より現れた無数の鎖に縛られ、その美しい顔は苦しみに歪んでいく 声は出せないのか表情と身振りで苦しみを表現し、精一杯の抵抗をしていたが数秒もしない内にそれもなくなった 精霊はぐったりとしているが私は気にせず命令を口にする いや、正確には思念を飛ばしただけで声は出していない もし、姉様に聞かれたら困るからそんな危険は犯せない 《いい、貴女を魔法と一緒に姉様に入れるわ…貴女は姉様の頭に入ってそこを通る電気信号を全てコピーして私に送りなさい》 その為に態々雷属性の精霊を造ったんだから… その言葉を口にする前に、精霊を私の口の中に入れた 入れた、と言っても精霊は意識体であり肉体を持っている訳ではないので、空気を吸うのと感覚は変わらない そこから精霊がちゃんと目的の場所にいけるように私は姉様に近づいて 「お休みなさい姉様…チュ({スリープ})」 唇を合わせると眠り魔法{スリープ}を姉様に掛けた {スリープ}の魔法は基本的に掛けた魔力が脳へ向かう そこに"精神体=魔力の塊"が混じっても幼い姉様なら気付かれる事もない 「~~~~~~~♪」 何より姉様の唇が味わえて…もう今日は興奮で寝れないかもしれない そう思っても身悶える私は幸せの中、いつの間にか眠りに着いていた
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