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「で? 何買ったんだよ」
それは、
車を発進させてから直ぐの言葉だった。
海斗君の目が、
一瞬だけあたしの持っている買い物袋に向いた。
「えっと。パンと――」
言いながら袋を探る。
「はい、これは海斗君の」
取り出した微糖の缶コーヒーを差し出すと、
海斗君はそれをチラリと見てこう言った。
「俺、ブラックしか飲まねぇんだけど」
「……」
ありがとう、
と言われるのを準備していたから、
どう反応していいのか分からなかった。
このコーヒーをどうすれば?
3秒硬直して、
片付けるしかないことに気付いた。
「あ……、知らなかったから。
じゃあ要らないよね……」
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