第1章

3/8
292人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
イケメンが私の顔を覗き込む。 これって恋が芽生えるシチュ?っていやいや私には愛しい加藤様が! でも鼻血でそう。 「本当に大丈夫?」 「はい。大丈夫です。あのそれより何か?」 「あ、うん。さっきの資料の件だけど、捕捉で入れて欲しいのがいくつかあるんだけど」 補足ですね。もうそりゃ入れますよ。喜んで・・・ってどこに何を入れたらいいんですか! って、加藤様に死刑宣告を受ける前に新藤さんに聞いたらいいじゃない! 「あの、すみません。資料の件なんですけど」 「ん?どうかした?」 「本当はあまり聞いてなくて・・・要点を出来れば教えて頂ければ」 社会人としてあるまじきだけど、加藤様に呆れられたくない!捨てられたくない! 「そっか。えっと今から外に出ないといけないから帰ってきてからでもいいかな?」 「勿論です!新藤さんの手が空いたときで良いのでよろしくお願いします」 「分かった。それじゃ戻ってきたら佐久間さんの所に行くから」 「お願いします!」 さすが若手のホープと言われてるだけある!しかもイケメン! 加藤様は殿堂入りだから順位には関係ないけれど、上位食い込み間違いなしかもしれない! ああ、でも今日は加藤様とのデートはキャンセルした方がいいかもしれない。 長引けば新藤さんにも迷惑をかけるから出来れば今日中に終わらせよう。 資料作りを夕方からやるために、今自分が取り組んでるのを終わらせる必要があるよね。 気合い入れて仕事しよう。 「あんまりおすすめしないけど」 斗貴子が眉間に皺を寄せながら私に言う。 そんな皺寄せたら怖い顔がさらに・・・いや、クールビューティーのクールがアイスになっちゃうよ。 「オススメ?」 はて?何が? 「新藤さんと二人で議事録作るんでしょ?」 二人での所にえらく力を入れる斗貴子。 「二人でって言ってもまだ誰か残ってると思うし」 「残念だけど一応、可愛いからさアナタ」 「ビックリなんだけど。誰が可愛いって?」 「残念なアナタ」 「残念なのは知ってる。斗貴子目腐ってる?何がどうなると私が可愛いの部類に入るのか教えて欲しいんだけど」 私なんてチビでデブな残念女子ですけど? こんな私を可愛いなんて加藤様も思ってないと思うよ?一応彼氏だけど。 「そう思ってるのは自分だけってね。ま、とりあえず気を付けて」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!