8㌔の勇気

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嵐が応援してくれたこと。それだけが勇気になる。 片手にパンを握りしめて、あたしは思った。 昨日のことを謝って、嵐に素直になろうって。 だけど、応援席に戻る途中で、 「すいません、一緒に写真撮って下さい!」 見知らぬ男の子に絡まれてしまった。 「はっ?」 「先程のパン食い競争の姿、感動しました。あのへろへろな小鹿な足でジャンプする姿!」 「いや、ちょっと写真は結構です」 だって、この人知らないし、なんか恐いし。しかも、誉めてるようでけなしてる気もする。 「いや、1枚でいいんで」 「本当にごめんなさい」 そんなやりとりを繰り返していると、きゃあー!という悲鳴めいた、大歓声が聞こえた。
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