ルームシェア

12/13
46人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
結局美夜と達巳は別れ、 その後も達巳は我が家に居続け。 うちのお父さんがもう死ぬ、 私のお婿さんを死ぬ前に一目みたい、 とかいいだして達巳を代理に立てたら、 ただのぎっくり腰だったとかいうことを経て。 なぜか私はいま、 達巳の隣にウェディングドレス姿で立っている。 きっとあのとき、 酔った勢いで達巳があんなことをいわなければ、 こんなことにはなってなかったと思う。 「いまだからいうけどさ。 ……実は俺、 はじめっから沙智が好きだったんだよね」 「は?」   会場のドアの前で、 二人立って開くのを待っていたら、 突然そんなことをいわれた。 「美夜がぐいぐい押してくるし、 沙智も気がない顔をしてたから、 美夜と付き合ってたけど。 でも、ずっと沙智が好きだった」 「えっと?」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!