dieci-2

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※※※※※※※ 「…………ねぇ」 口を開くと魔法が解けてしまいそうな気がして、忍くんに寄り添いながらずっと黙り込んでいたのだけど。 さすがに寒くなってきて、私は服で前を隠しながらゆっくりと身を起こした。 「…………ん」 気だるげな返事が聞こえ、忍くんは軽く目元を擦る。 どうやら少し、ウトウトしていたらしい。 「風邪引いちゃうから……寝るならちゃんとベッド行かなきゃ」 「………んー」 目を擦りながら、忍くんはのろのろと起き上がった。 「……………」 そうしてお互いの姿を目にして、私達はふっと苦笑を漏らした。 「なんか……スゴいことになってんね」 「……うん。……後で掃除、大変だね」 「服も結局汚れまくったし……」 「ホントに帰れなくなっちゃった……」 溜め息混じりに呟くと、忍くんは小さく笑いながらそっと私の体を胸に引き寄せた。 「服洗ってる間、一緒に風呂入ろっか」 その言葉に、私はドキリとする。 ほんの一瞬恥ずかしさが勝り、躊躇を覚えたけど。 「…………うん」 何だか全てが今更だと感じてしまい、私は忍くんの背中に腕を回しながら小さく頷いた。  
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