話乃壱『グラビアアイドル』

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取り戻しさえすれば、そんなものは、すぐに回収 できる。  マネージャーには、十分な勝算があった。  あの娘 にはまだまだ力がある、そう、確信していた。  2年目の半ばを過ぎる頃、ようやく、笹山奇人のアポがとれた。  しかも、どうしたわけか、契約金額は破格の安値。 『いやいやいや、いいんですよ、僕としても、ちょうどまだ、とり足りないてないものがある気がしていたところですし』  ようやく、ヱミカのグラビア撮影が始まった。  ここが再出発へのターニングポイントになるのだ。  だが、撮影の様子を見守っていたマネージャーは、妙なことに気がついた。  ヱミカがいつもの笑顔を見せていない。  悲しげな表情、困ったような表情、たまに笑顔を浮かべても、それは憂えるような寂しげな笑顔。  だが、それはヱミカのせいではなかった。 「うんうん、いいねー、その表情!!」 パシャリ 「次は、散っていく落ち葉を見ているような感じで」 パシャリ 「そう、その寂しげな微笑み、女優顔負けだねー」 パシャリ  奇人のリードが、明らかにそっち寄りなのだ。 「あ、あのー、笹山さん、差し出がましいようですが、うちとしては、ヱミカの明るい笑
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