プロローグ

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柊律ヒイラギリツは、童顔というわけではない。 身長は170を越えているので、低いという言われたことがない。体つきはいわゆる細マッチョと呼ばれる部類で、「脱いだらすごいんです」と、大学の女の子たちから誘われることもある。 が、年齢相応に見られることがない。 「お前なんか出てんじゃない?フェロモン的な何か」と友人からからかわれるほどである。 コンビニにタバコを買いに行けば、身分証明を求められ、飲み会に行けば「未成年にお酒を提供することはできません」と断られ、深夜に帰宅を急いでいれば、不良少年として補導される。 フェロモンだろうが何だろうが勘弁してくれ。と、律が思うのは当然のことである。 「あ、でもオレ大学あるし無理だわ」 現在4回生の律。卒業まで2年あるとはいえ、長々と休めることはない。んなことをしたら留年してしまう。 「残念だったな」と思わずニヤニヤすると、同じようにニヤリと笑う男。 「休学届出しといたから安心しろ」 「………ハァアアア!?」
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