羅宇屋

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  北公園の曲がり角。 三日月の晩に、一つ、屋台が出る。 屋台と言っても、良い匂いが漂う類ではない。 屋根と、灯籠のような目隠しが両側にあるだけの、小さな門のような小屋。 肩へ担げば運べそうなそれに、明かりが灯った。 格子の中、障子紙へ書かれた達筆には、「羅宇」という文字が見える。  
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