第4章 甘い、甘い、ケーキ

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白い泡で腕の中をクルッと容易く回って、誠が俺の真正面に来る。 「エヘヘ」 のぼせたみたいにピンク色の頬がすげぇ、可愛い。 白い泡を鼻の頭に乗っけてるせいか、なんか、ケーキみたいに思えた。 甘くて美味い生クリーム塗れのケーキ。 「あと、誓いのキスもしようよ」 「あぁ」 ぎゅっと抱きつく誠の背中を折れそうなくらい腕で捕まえて、誓うだけにしては濃厚なキスを交わす。 舌先で気持ちを交換し合って、絡めて、飲み込んでいく。 一生、こいつだけでいい。 俺の最高の旦那さまだ。 「ン、んっ」 「誠」 「も、綺麗、に、なったでしょ?」 シャワーヘッドんとこに手を伸ばした誠が、持ち手のところのスイッチを入れた瞬間、頭からふたりしてびしょ濡れになって、真っ白な泡が流れていく。 酸欠にならないようにって、誠の唇塞いで空気を送り込みながら、泡の消えた裸を抱えた。 「拓海も綺麗」 「……」 生クリームみたいにモコモコと肌を覆っていた泡がなくなったのに、裸なのに、どっかケーキみたいに思える身体。 抱き締めて、舌で突付いただけで甘い声が零れるせいかもしれない。 蜂蜜みたいな声が。 「あぁっン」 抱えたまま、今度はバスタオルに包んでやると、楽しそうに笑ってた。
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