離れるまでの時間に

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【1:体育倉庫】 うちの高校のネットの支柱は軽い。 (アイちゃんとこもこんな最新の支柱に替えればいいのに…) 思いつつ、倉庫の中の支柱立てにそれを立てかけていると、イタルが後ろからネットを持ってきた。 そしてそれをポイッといつもの場所に投げ入れると、 「きつー」 と言いいながら、オレの背中に覆い被さってきた。 「!!」 突然のことに無防備だったオレはその重さによろめいた。 伴い、顔面がガツンと思いっきし支柱にぶつかり。 「…お、すっげえ音…」 イタルが驚いた声を出した。 「…大丈夫かよ」 「…ってえ、なッ!!」 とりあえず振り向きざま、イタルの頭を殴った。 その直後、「なにやってんだ」と、 ふざけた青木先輩がイタルに後ろから飛びかかってきて、 「……っつ」 更に無防備だったイタルがオレにまたぶつかってきて、 ガツンっと、 「い…っ」 今度は後頭部をしこたまぶつけるオレ。 「うわっ、大丈夫か!?」 青木先輩が叫んだ。 「鷹里おまえ、もっとしっかり立っとけよ!」 .
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