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参
撮影が始まり、
暗闇を切り裂く閃光とシャッター音が響く。
緊張感の高まる中、貴子はカメラマンを見ていた。
カメラマンの木之元旬(キノモトシュン)は
貴子が今まであったどのカメラマンより特殊だった。
カメラマン達は被写体を
よりよく撮るために大小はあるものの、
褒めちぎり、言葉で載せて、気分を上げる。
でも、旬は基本寡黙で、指示もまるで命令・・・
しかも、
少しでも求めていたモノと違うと、チガウッ!、と怒る。
今まさに立ち合いに挑む侍のような、そんな気迫に
貴子は一瞬で旬に呑まれた。
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