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  撮影が始まり、 暗闇を切り裂く閃光とシャッター音が響く。 緊張感の高まる中、貴子はカメラマンを見ていた。 カメラマンの木之元旬(キノモトシュン)は 貴子が今まであったどのカメラマンより特殊だった。 カメラマン達は被写体を よりよく撮るために大小はあるものの、 褒めちぎり、言葉で載せて、気分を上げる。 でも、旬は基本寡黙で、指示もまるで命令・・・ しかも、 少しでも求めていたモノと違うと、チガウッ!、と怒る。 今まさに立ち合いに挑む侍のような、そんな気迫に 貴子は一瞬で旬に呑まれた。
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