第六章

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いよいよクリパ当日。 迎えたくない日だったはずだが、 今日までの数日は常に麗と2人きりの生活だったからか、別の人に会えるのは正直楽しみになっていた。 ただ、俺は結局いつもの普段着で金持ちに挑むことになった訳だけど… もういいんだ。着飾ったって庶民に変わりないしな!!! 夏希へのプレゼントだけ持って、あとは手ぶらで行ってやる!!! …ちなみに麗へのプレゼントはまだ渡してないし、渡せる気もしない。 ま、まあ渡すよ???じゃないと鬼姉に殺されるしね??? 「凛太郎準備できた?」 そう聞いてくる麗は綺麗に着飾ってますよ!!! 俺と違ってね!!!! 「…できました。」 「そろそろ時間だけど、誰が迎えにくるんだろ?」 それな。 結局夏希にいくら聞いても教えてくれなかった。 そんな秘密にされてもwwwwww なんて思いながら携帯をいじっていると、玄関のチャイムが鳴った。 んえ??何故今このタイミングで尋ね人が??? 不思議に思いながら玄関に向かい、扉を開けるとそこにはまさかの人物が立っていた。 「…えっ!?何故先輩が!?」 「久しぶりだな、凛太郎。」 そこには前生徒会長の帝夕日先輩が立っていた。 入学式のあの事件以来、卒業するまでずっと気にかけてくれた唯一の先輩。 生徒会長だったが、そこまで気を遣うこともなかったし、遣わせない良い人だった。 去年卒業して大学生になったはずだけど??? 「高校生に逆戻り?」 「なんでそうなるんだ。お前ら2人を迎えに来たんだよ。」 …部屋の奥から様子を見に来た麗も少し驚いていた。 夕日先輩が居ることに対してでは無く、どちらかと言うと俺と夕日先輩が知り合いなことに驚いているのかもしれない。 まあ普通に考えたらありえない組み合わせだもんなwww あの事件の事は本当に限られた人しか知らないみたいだから、麗は知らないだろう。 「帝先輩が迎えに来てくださるなんて。申し訳ないです。」 「いいんだよ。夏希からのお願いだし、久々に凛太郎に会いたかったしな。」 頭に置かれた掌は、大きく温もりがあり、優しく包まれるようだった。 麗とはまた違った感覚。 そういや夕日先輩には会う度頭ポンポンされてたなwwwwww そんな俺達を複雑な表情で見つめる麗。 うん、気まずいねこの状況www
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