第六章

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「せ、先輩、そろそろ行きましょうか!」 「そうだな。学園前に車を止めてるから準備できたら2人でおいで。」 そう言い残し、夕日先輩は先に行ってしまった。 …焦ったぁ。あの人も距離感バクだったの忘れてたわwww だんまりな麗にはあえて目を向けず、部屋に入って上着と荷物を持つ。 「麗も準備出来たら行くぞ〜」 「うん。もう行ける。」 声に元気が無いことくらい気付いてますよ? でもこればっかりはどうしようも無い。 あの人、素であぁだからな。 2人で部屋を出て鍵閉める。 少し歩くと、斜め後ろから麗が話しかけてきた。 「…帝先輩とどういう関係?」 「…あ〜、入学式の時に色々あってな。」 隠すのもめんどくさいので、入学式にあったことを簡潔に麗に説明した。 かなり驚いた顔をしていたが、同時にどこか腑に落ちた様な顔もしていた。 そして次の瞬間横から服を捲られる。 「いや待ってwww外だし冬だし寒いしwww」 捲り上げられた服を秒で整え、麗に軽くパンチを入れる。 コイツまじでありえんwwwwww いつも突然すぎんだよ!!!! 「だからお腹に傷があったんだ。…富士くんと仲がいいのも理解した。」 そうだよ!!!天使を助けた勲章だよ!!!!! こいつは全く… 「まあそれ以来夕日先輩は卒業するまで気にかけてくれてたんだよ。」 「帝先輩らしいね。」 庶民を気にかけてくれる人なんてあの人ぐらいだろwww そんなこんなで学園前まで到着。 そこにはカッコイイ高級車が停まっており、運転席から先輩が顔を出す。 「2人とも後ろに乗ってくれ。」 「え!?夕日先輩が運転するんすか!?w」 てっきり運転手付きかと思ってたwwwwww 金持ちは全員運転手付きかとwwwwww 「なんだ、不満か?」 「いやいや!w」 と言いつつ少し不安。 金持ちはちゃんと運転できる???← 乗るのに躊躇していたら麗が先に扉を開けた。 「凛太郎、乗りなよ。」 「お、おう。」 麗にエスコートされながら車に乗り込み、俺に続いて麗も乗り込んできた。 高級な匂いしかしねぇ… 「それじゃあ出発するぞ。」 夕日先輩の合図で車は走り出した。
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