第1章

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 石橋直也は「最近、妻の様子が怪しい」と感じていた。直也は妻の美奈子がパート先の男と浮気していると疑っていた。  今、美奈子は風呂に入り携帯がテーブルの上に置きっぱなしになっている。直也は「携帯に浮気相手とのメールが残っているかもしれない」と携帯に手を伸ばした時、美奈子の携帯が震えた。  直也は携帯のバイブでテーブルがガタガタ鳴る音に驚き、一度手を引っ込めた。直也の心臓の鼓動が早くなりドクドクと波を打った。直也は息を殺し、再び携帯へと手を伸ばした。  直也は美奈子の携帯を手に取るとメールを確認した。すると今届いたメールが正に男からの物だった。直也は「やっぱり浮気していやがった!」と思い、メールを読んだ。  メールには「旦那の好きなカレーに睡眠薬を混ぜて食べさせて、眠った頃を見計らって連絡して。後は俺が海まで運んで捨ててくるから」とあった。  直也がメールの内容に驚いていると、カチャッと風呂のドアが開く音がした。直也はその音に更に驚き、動揺を隠す様にテレビをつけ音量を上げた。  美奈子が風呂から上がり、髪の毛をバスタオルで拭きながらリビングへ来ると「ちょっとテレビの音量下げたら」と言ってテーブルの上の携帯を手に取った。  直也は心臓が高鳴るのを抑えながら「あぁ」と言うと、メールを確認した美奈子が振り返り「明日の夕飯カレーで良い!?」と言った。
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