Round No.0

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倉内翔(クラウチカケル)は私の彼氏だ。 てへっ。 普段は抑圧音をここぞとばかりに響かせ 偉そうに(いや、おエライさんなんスけども……) しかも人の弱味ばっかりを握りながら文句をつけ 仕事にも私生活にも厳しくしてくる。 でーすーがー 『ももこ』 と、呼ばれて ホイホイと着いていくと 甘く甘い どんなシロップよりも甘くてトロトロな 甘やかし攻撃を 2週間に1度。 私に与えてクレル。 もう、堪りまへん。 そんな倉内翔は今、大阪で影番……いやいや 偉い人として、その美貌とスキルを惜しみ無く振る舞い 敏腕手腕技巧を発揮しながら 大阪本社の株をガシガシとあげている。 ……ホントに倉内翔は凄い人でっス。 凄い人過ぎて、大阪本社での人気馬。 「あー、種馬としても凄そうだもんね」 隣から内田くんのチャチャが入った。 あぁ、また漏れてたんデスか…… 私の脳内マイセルフ独り言……。 「駄々聞こえだわよぅ?」 内田くんが私の耳たぶにふぅ、と息を吹き掛けた。 仕方ないことなんですョ。 だって倉内翔の見目は物凄く流麗で全てがスタイリッシュ。 しかも、香りは薔薇のように芳しいンデスよ…… とほほ。
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