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自室のベッドの上で、光は頭を抱えた。
彼は良い子だ。
学校のアイドル的存在なのに、ちっとも偉ぶったりしない。
気さくに話しかけてくるし部活に熱心だし、光が困っているときは率先して手を貸してくれる。
ただし、その度に女子たちの視線が突き刺さってくるのだが。
「……だけど」
恋愛感情があるかと言われれば、それは別問題だ。
だとしたら、どう返せばいいのだろう?
無下にしたのがバレたら、女子に何をされるか分からない。
しかし彼を受け入れてしまうのは、それよりもっと怖かった。
光は唇を噛み、強張った指で文字を打ち込む。
願わくば、彼がこのことを永遠の秘密としてくれますように。
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