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絵美とのデートの帰り。
海を見て。
服を買って。
そして。
絵美の強い要望で。
ケータイをお揃いに機種変更して。
すっかり疲れ果てていた僕は。
少し、前方不注意だったのかも知れない。
「うわあぁぁぁ！！！」
気付いた時には、視界の全てを大型トラックのフロントに覆われていて。
運転席の僕。
助手席の絵美。
それが、生死の境を分けた。
「観自在菩薩。行深般若波羅密多時・・・」
今日は、お葬式。
なのに。
ピロン。
ひっきりなしに、メールの届く、僕のケータイ。
差出人は、絵美。
本文内容は、あいしてる。
ずっとずっと、同じメール。
「絵美・・・！」
「照見五薀皆空、度一切苦厄・・・」
ピロン。
”あいしてる”
「僕と君はもう・・・死者と生者なんだ！」
「舎利子。色不異空、空不異色・・・」
ピロン。
”あいしてる”
「だから・・・もう・・・」
「色即是空、空即是色・・・」
ピロン。
”あいしてる”
「もう・・・やめてくれ！」
「即説呪日、羯諦羯諦波羅羯諦・・・」
ピロン。
”あいしてる。”
「えみぃっ！」
「波羅僧羯諦・・・」
ピロン。
”あいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてるあいしてる”
「やめろおぉぉぉぉぉ！」
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