第7章

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そうとは知らない土方部屋で。。。 「斎藤、明日も早いが付き合ってくれ。朝餉後すぐ出る。」 土方がそう言うと 「御意。」 斎藤は少し嬉しそうに返事をした。 「ところで……、」 「はい?」 「その、なんだ? 俺の……句集は……」 「はい。大丈夫です。ちゃんと机に隠してあります。」 「そ、そうか」 淡々とした斎藤の返事に、表情をゆるませる土方。 ……。 ほう、土方さんは、はじめちゃんに頼んだのか。 なら、いくら探しても見つかるわけないよね。 「ええ!?僕もいる部屋じゃないですかぁ!!!」 そ、総ちゃん……声大き…… ガタン! スー、バンッッ!! 「お、お、お、お前ら~~!」 ほら、見つかっちゃった…… 「土方さん……」 「なんだ、化け猫」 「油断大敵ですぞ。 壁に耳あり 障子にメアリー。です!」 …………。 「誰だ。メアリーって」 「へ?ん~、……じょ、女性ですかね?」 「バカか!障子に目あり!だ!」 「へぇ!……まぁ何でもいいです!! はじめちゃん!ごめん!勝手に触るね!」 怒鳴る土方を放置にし、斎藤に声をかけると、 柚は斎藤部屋に駆け出した。
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