チョコとキスと課長と

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「課長、ヒドイですっ!」 「悪かったって。お詫びに俺が食事に連れてってやるよ。」 「へ?」 思いがけない 言葉に間抜けな声が出た。 課長と 二人っきりで食事…… 「なんだよ、嫌なのか?」 「……イヤ、とかじゃなくて私といるとこを他の社員に見られたら……噂になるし、課長、きっと悪く言われますよ。」 課長は 社内ではそこそこ…… いや かなり人気がある。 まあ このルックと この若さで課長ときたら 世の中の女性達が こんな優良物件を放っておくわけないよね。 私も社内で 課長が 何度か綺麗な女性に 告白されてるとこ見たことあるし……。 「……へぇ、嬉しいね。お前が俺との食事を嫌がらないなんて。」 「ち、ちが、そういう意味じゃ」 「俺は別に構わないよ。お前との関係を噂されても……。むしろ、俺的には好都合だしな。」 営業部内の 窓の戸締まりを 確認しながらそう言った課長。 「……好都合、ですか?」 そんな 課長の言葉の意味が わからずに首を横にかしげた。 「お前って本当、鈍感だな。」 「なっ!」 「ま、そういうとこがいちいち可愛くてツボでお前に惚れたんだけど。」 「っ!!」 課長の ストレートな 言葉は本当に心臓に悪い……。 課長は 恥ずかしげもなく サラッと破壊力のある 甘いセリフを平然と言ってのける。 きっと 今までこうやって 女の子を落としてきたんだ……。 「ほら、ボーッとすんな。おいてくぞ。」 「え、あ、課長っ。ま、待ってくださいっ!!」 こうして 私と 課長は二人っきりで 食事へと行くことになった。 .
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