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「ですから恐らく勇者パーティは破壊をしながら進むと思われます。柱や壁を壊した場合には、天井が崩れ落ちるようになっており、地下への落とし穴も現れます。地下に落ちればお腹を空かせた魔物達が待ち構えております」
おぉ。
「全員が落ちるとは思えませんので、まずは二分出来るでしょう。ま、全員で落ちて貰っても全然構わないんですがね。魔物に追われて細い通路を皆で逃げるのは大変でしょうから、分岐で分かれるでしょう。どちらにしてもバラバラです。迷路になっていますし、このフロアに戻れる通路は一本だけ。その他は森の入口まで地下を通り戻されます」
フフッ、と楽しそうに微笑む執事くん。
「勿論、森の入口に出れば此方に続く通路はわからなくなるようになってますから、完全にふりだしに戻る事になりますよ」
えーと、まだ序盤でこんなに仕掛けがあるよな?
なのに、物足りないってマレオは言ってた。
こんなの、俺にはアドバイスなんて出来ないぞ?
思わず顔を引き攣らせれば、ミルガが先を促す。
「では先に進みましょう。普通は前に進もうとして前だけ見ますよね?ですから階段は後ろに作ってみました」
執事くんの説明に玄関側を見れば、執事くんが指をパチンと鳴らす。
と、暗闇が照らされて、玄関横の壁に沿うように幅の狭い階段が現れた。
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